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自制心を持って

今日お昼に外に出ると，どこもかしこも車でびっしり．今のうちに買いだめに走る人たちであろう．やむにやまれぬ理由もあろうが，なにもこんな時に車に乗らなくてもと思う．

食品棚に物一つないコンビニというのは，まるで略奪を受けたような異様なありさまだ．飲食店もクローズ．そして深刻なガソリン不足…

こういう時こそ自制が必要だ．仕事上やぬを得ずという人も多いと思うが，ひとりひとりが自制心を働かせないと，我も我もと雪崩のように人の行動はひとつの物や事に殺到してしまう．東北地方の被害者の方々ならいざしらず，冷静に暮らせば循環するであろう消費が，人々の異常な危機意識が買いだめに走らせ，店舗をからっぽにし，大渋滞を引き起こしてしまう．

僕は計画停電は良い試みだと思う．我々は確実に何かを我慢することによって，東北地方の被害者の心の痛みを少しでも分かち合うことができるような気がする．もちろんそんな悠長なことを言っていられないのはわかる．でも１日数時間の停電でも我々はちゃんと生活してゆける．少なくとも命が奪われることはないだろう．

今朝報道を見ていて嫌な気分になったことがあった．停電の実施の有無を巡って，昨晩から東電の発表が二転三転したこと．これについて，これでは「計画」とはいえないと正論を吐くキャスターがいた．

この非常時に，正確に翌日の電気需要を読める人なんているのだろうか．万が一を考え計画停電を発表したものの，電力会社の不眠不休の努力と，人々の節電意識が回避に結びついたとなぜ考えられないのだろう．

与党をいたずらに攻撃するのと同じ感覚で，安全地帯からもっともらしい正論を吐く人たちを僕は軽蔑する．みんな自分を犠牲にして必死にがんばっているというのに．

平和な休日，そして…

明日から輪番で計画停電がはじまります．うちの事務所がある志木エリアでは，情報が錯綜していますが，少なくとも午前中と夕方から，そしてもしかしたらお昼過ぎからも？（てことは一日中！？）停電の可能性があります．

ということはパソコンが使えませんから，メールチェックはもちろん，図面を描くことも，それを出力することもできないということになります．今さら手書きの時代には戻れませんが，我々設計事務所はなんと脆い実務環境に身を置いていることかと実感させられます．

というわけで，明日以降比較的急ぎのご連絡は直接携帯電話までお願いします．
もっとも，今では携帯すらも危うい通信手段ではありますが．

さて土曜日はどこにも出かけず，一日中テレビの前にかじりついての状況の把握と，また地震の影響を受けている来週以降のスケジュールの調整に追われていました．また続々と頂くお施主さんからの安否のご連絡にはほっと胸をなで下ろしたりしていました．

何度も何度も，繰り返し流れる津波の映像に気分が悪くなりながらも，この映像はしっかり頭に焼き付けなくてはいけないと自分に言い聞かせていました．ただ一夜明けても事態は好転するわけでもなく，さすがに居たたまれなくなって，今日日曜日は思い切って気分転換をすることにしました．

水子貝塚公園
家の近くには水子貝塚公園という公園があります．こじんまりして，素朴なとても気持ちの良い公園です．今日は天気も良く，そこで息子とサッカーをしたりジョギングをしたりして軽く汗を流しました．

こんな平和で気持ちの良い，なんでもない一日がどれほど貴重で恵まれたものであるか，これまで考えたことがないようなことを何度も思いました．

明日から我々も通常業務となります．実際どんな影響が出るのか，週が明けてみないと何とも言えませんが，東北地方の方々の境遇と心中を察すれば大概のことは我慢できそうな気がします．この試練を乗り越えることができたら，良い意味で日本は変われるのではないかとも思います．

三陸沖大地震

液状化してめくりあがった
アスファルト（新木場周辺）
昨日の大地震，皆様はご無事だったでしょうか？今朝ほどから安否確認のご連絡を何通か頂きましたが，私も家族もおかげさまで無事にしております．

ただ昨日は大変な状況で…　（以下長文です）

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住みたい街ランキング

とあるアンケートによる都道府県別の「住んでみたい街ランキング」で，我が街”志木”は堂々の６位に入っていた．１位～５位は知名度も高いし，歴史があったり，大きな公園があったり交通の便が良かったりと，利便性の高い都市だったりするのでわかるのだけれど，マイナーな志木が６位とは…正直びっくり．そして少し嬉しい．

よく知らない人はどこ？と思われるかもしれないけれど，知っている人は知っている．
そう，志木はマイナーだけれど良い街なのです．

駅前には丸井をはじめ商業施設も充実しているし，市内には自然もたくさん残っている．
交通では東上線に加えて有楽町線や副都心線も乗り入れているから，銀座や渋谷にも１本で行けるし，川越までは１０分，池袋は２０分，大宮までなら３０分．２３区内であれば大体１時間以内には辿り着ける．関越も外環も近くて，市内はまず渋滞もない．

…とまぁこれらを語り出すと，他にも良いところを２０個くらいは挙げられる気がするけれど，それらはすべて住んでみてわかったこと．土地探しの相談から見えた方にもついついそんな話をしてしまうので，最初は都内の土地を希望されていたクライアントも，今ではご近所さんになってしまった方も何組か…．

都内で高～い土地を探している方，志木は穴場ですよ！

メガネホルダー

店先でふと目に留まり，買おうかどうしようか迷って結局買わなかったということがよくある．買ったら買ったで衝動買いの後悔もあるけれど，買わなかったことでやっぱり買えば良かったと思うことも多いような気がする．

さんざん考えて，結局そのためだけにそのお店にもう一度足を運んだり．でも見てしまうとその場でまた悩み始めて結局買わなかったり…とか．

まぁそんなのも含めて買物の楽しみだったりするわけだけれど，昨年あたりには銀座でメガネを首からさげるメガネホルダーを目にした．あいいな，どうしようかと迷って結局その場では買わなかったのだけれど，その後やっぱり欲しくなってネットで調べたら，その商品はすでに生産中止になってしまっていた．ネットショップなどでも軒並み「在庫なし」の表記になっている．

そうなると人間というのは俄然欲しくなってしまうものだ．
あぁ，やっぱりあの時買っておけば！

結局それは執念深く探して，とあるネットショップで手に入れた．それが上の写真．メガネの形をしたメガネホルダー．メガネの穴にメガネの柄の部分をひっかけて使う．メガネの部分は本物のメガネの端材を使ったリサイクル商品で，二つとして同じ柄のものはないらしい．

不思議なもので，苦労して手に入れると付加価値となって物に対する愛着になる．あの時すんなり買っていたら，もしかしたらそこまでは思わなかったかもしれない．

メガネつながりでもうひとつ．
仕事が終わると仕事用のメガネを机の上に置くのだけれど，なにか気の利いた置き場はないかなと探していて買ったのがこんなの．ゾウの形をしたメガネ置き．どうも「○○の形をした」というところに惹かれる傾向があるらしい…．


メガネ置きに置かれた愛用のメガネもまた，店頭でさんざん悩んでその時は買わず，後日もう一度店頭に足を運んで買ったものだったりする．

メモクシャ方式

その日やらなくてはいけないことを，片っ端からメモ用紙に箇条書きにするところから一日がはじまる．手っ取り早いところから手を付けて，片づいたものから赤線を引っぱってゆく．

どんどん赤でつぶされて，最後の用件を消したら，あとはくしゃくしゃに丸めてゴミ箱にポイ！気持ち強めに．この瞬間が最高に気持ちイイ！！

ところが時に，最後のひとつふたつがどうしても消せないこともある．
何度かけても相手に電話がつながらないとか，少し込み入った原稿仕事だったりとか．時に何日も消せないものがあったりして，その間中その黒い文字で書かれた用件だけが，ずっと机の上に残ることになる．

これが非常に気持ちが悪い！性格的に積み残しをするのが嫌なのだ．
今すぐ消してしまいたい．そして早く楽になりたい．用件のいくつかは電話一本で済んでしまうことがほとんどだ．あるいは集中すれば３０分程度で片づく雑務だったりとか．だからとっとと片付けるのが習慣になる．

あの最後にメモ用紙をくしゃくしゃっとする快感はクセになる．
やらなくてはいけないことをすぐに忘れる，雑務がなかなか片づかないという人は，単純なようだけれど「メモクシャ方式」是非お試しを．

ショールーム巡り・その２ LED編

ずっと気になっていて，いまだに手が出せていないもの．それはLED．

昨今，東芝が白熱電球の生産を中止したとか，メディアなどでもLED照明のことをさかんに取り上げられている．うちは間接照明などに蛍光灯を使うことはあっても，いまだに白熱灯が照明計画の中心だ．コストの問題もあるけれど，やはり安心感というかどうしても使い慣れた照明を使ってしまうということもあると思う．

ただ最近ではお施主さんからも，LEDについての質問をよく受ける．そこで自分たちでも最新のLEDを取り巻く現状について把握すべく，友人の照明デザイナー梅田かおりさんに相談して，彼女イチオシのDAIKO（大光電機）のショールームへと足を運んだ．

DAIKOではかおりさんの紹介ということもあり，担当者がずらりと出てきて事細かにLEDを巡る”今”について説明してくださった．またDAIKOにはオリジナルのシュミレーションルームもあってこれもまた非常にわかりやすかった．

今回のショールームでは目から鱗の連続だった．照度や演色性，配光などどれをとっても既に白熱灯と遜色がないレベルまで技術は上がってきているようだ．コストも思いのほか下がっていて，まだ白熱灯の安さには及ばないけれど，かなり住宅全体での採用にも現実的なレベルになってきていると感じた．

白熱からLEDへの移行は，レコードからCD，あるいは手描きからCADへの移行とも少し似ている．私も最初に入った事務所では手描き図面を仕込まれたから，CADへの移行には当初抵抗がかなりあった．

エンピツの濃淡に精魂を込めて描いていた図面が，味気ないデジタルデータになってしまうなんてと思っていたけれど，今ではもう手描き時代には戻れない．大学で１年生に線の引き方を教えながらも，iPOD世代の学生にレコードの良さを説いているようなものだと感じることもある．

少なくともあと１０年もすれば確実にLEDが建築照明の中心に座っていることだろう．白熱灯はなくならないけれど，いわばレコードと同じ運命を辿るのかもしれない．

一方で今現在ではLEDはまだまだ発展途上で，今導入する人はまだリスクがあるとも言える．ある意味家電やパソコンの世界と同じで，「買いたいときが，買い換え時！」ということのようだ．

ただ建築のように何十年も使い続けるものに，家電的な性格を持つ，ある意味刹那的な器具を導入するのはいかがなものかという疑問もいまだに拭い去れない．ただそんな思いも，時代の流れの中であっけなく呑み込まれていってしまうのだろう．