2009年 01月 15日
最終講評
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大学の授業もようやく一区切り.第三課題の提出を迎えて,昨日は最終講評会だった.
この第三課題のシェアハウスは,大学一年生にはちょっと難しいかな,というような高低差のある土地(雑木林).既存の木をどうするか,敷地の傾斜をどう生かすか,眺めは?日照は?といった基本的なことを押さえながら,ひとつの”建築”として空間のありかたをどこまで示せるか,というのが今回のミソだったように思う.
具体的な敷地の上に,この”建築”という曖昧模糊としたものを作るはじめての課題.
建築とはなにか?この問いはシンプルでもあり,我々にとって一生の問いかけになるものだ.
機能を整理して”間取り”をつくるだけなら単なる”建物”である.仮にも建築学科の学生ならば,そこに”建築”をつくってもらいたい.
このハードルに対して,正面から応えようとした学生はほんの一握りではあったけれど,それぞれが苦しみながら導いた答えにはそれなりの瑞々しい感性が宿っていて,まだまだ荒削りながらもその空間の片鱗を感じることができた.
わが落ちこぼれクラス(?)からも数名が発表し,年末に事務所にまで指導を受けに来ていたひとりの学生の作品が,優秀作として来年度の作品集掲載作のひとつに選ばれた.設計指導も壁にぶつかりながら,なかなか上手くいかなかったことも多かったのだけれど,ひとりでも一矢を報いてくれた学生が出てきてくれたことは本当に嬉しく思う.
これでひとまず今年度の授業はおしまい.次はまた新年度から新しい一年生を教えることになる.キラリと光る感性を持った学生に,ひとりでも多く出会えることを今から期待している.
by riotadesign
| 2009-01-15 16:21
| 建築